彡(ﾟ)(ﾟ)「うひょー！津波すっげぇ!!動画撮影しよっ!!てか、あの車流されてね...!?てかやばくね!?」

彡(ﾟ)(ﾟ)「ﾌｧｯ!?!?!?ｗｗｗあの車ｗｗｗあの車流されたｗｗｗ」REC

彡(ﾟ)(ﾟ)「あの人大丈夫かいな!!」REC

彡(ﾟ)(ﾟ)「まぁでもそんな水高ないし大丈夫やろ」REC

（∪＾ω＾）「わんわん!!」


彡(ﾟ)(ﾟ)「でもこれ歩行者がいたら最悪死ぬで!!みんなちゃんと避難したんかな〜」REC



彡(ﾟ)(ﾟ)「ﾌｧｯ!!!!!!!!!!!!!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「なんやねんこれ...!!!!水の高さが...!!!!?!?」REC

彡(ﾟ)(ﾟ)「道路が完全に川になってるやん...!!信じられん...」REC

彡(ﾟ)(ﾟ)「凄い光景やなぁ!!凄い動画が撮れたで!!」REC


--


彡(ﾟ)(ﾟ)「ﾌｧｯ!?!?!?!?!?!?」

彡(ﾟ)(ﾟ)「おい...どんどん水の勢いが...というか水が1階に入ってきてる...!!」REC

（∪＾ω＾）「わんわん!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「イッヌ!!1階には行くな!!流されるで!!2階におれ!!!!!」REC

彡(ﾟ)(ﾟ)「もし、ワイの家が1階建てだったら...ゾっとするで...」REC


彡(ﾟ)(ﾟ)「でもさすがに2階には来ないやろ...助かったわ...」REC

--

彡(ﾟ)(ﾟ)「ﾌｧｧｧｧ〜〜〜!!!!!!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「信じられん...なんやこれ...」REC


彡(ﾟ)(ﾟ)「水が1階の部屋を全部飲み込んで、階段まで来てるやん...!!」REC


彡(ﾟ)(ﾟ)「ｱｶﾝ!!これ以上水が増したらワイら飲み込まれるで!!」REC


（∪＾ω＾）「わんわんわん!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「イッヌ!!何してんねん!!イッヌ!!!お前死ぬで!!!!!!!」REC

彡(ﾟ)(ﾟ)「イッヌ!!大人しく外出用の持ち運びケースに入れ!!イッヌ!!!!!!」

-やきうは持ち運び用ケースに犬を入れる...-

彡(ﾟ)(ﾟ)「やばい...2階にも水が迫ってきた...!!!撮影なんてしてる暇ないわ...!!」


彡(ﾟ)(ﾟ)「マッマ...!!マッマは大丈夫かいな!!!」


-避難所-

J( 'ー`)し「息子!!息子と連絡が取れないんです!!まだ家に...!!」

(*-Α-)「ダメですお母さん!!家にいて!!津波がもう来てるんですよ!!」

J( 'ー`)し「息子が...息子がぁぁ!!!!!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「イッヌ!!ケースの中で大人しくしとれよ!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「...なんや...何やねんこの光景...!!」

-水が2階まで到達し、2階の窓に水が押し迫っていた...!!-

彡(ﾟ)(ﾟ)「ワイ、死ぬのかよ...!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「津波警報が出た時点で逃げればよかった...まさかこんなになるなんて...!!!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「イッヌ...すまんな...」

彡(ﾟ)(ﾟ)「ﾌｧｯ!?!?!?!?!?」

彡(ﾟ)(ﾟ)「なんやこれ...!!」

-家が津波に飲み込まれ、家ごと水に流され始めた...!!-

彡(ﾟ)(ﾟ)「信じられん...!!!!家が流されとるんか!?!?!?!?」

彡(ﾟ)(ﾟ)「このまま部屋に居たら危険や!!!!!屋根に移動するんや!!!」


（∪＾ω＾）「ワンワンワンワン!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「イッヌ!!ゲージから出るなよ!!大人しくしとれ!!」

スリルある

彡(ﾟ)(ﾟ)「...!!!!!」

-屋根に出ると、住み慣れた街の変わり果てた姿に言葉を失う...-

彡(ﾟ)(ﾟ)「こんな事が...こんな事が...マッマは無事なんか!?」

彡(ﾟ)(ﾟ)「他の家がひっくり返ってる...」

彡(ﾟ)(ﾟ)「ｱｶﾝ...この家もいつひっくり返るかわからん...別の場所に移動せんと...」


-やきうと犬は家ごと漂流を続ける...-

高台の避難者A「あれ...みて!!!!あそこ!!屋根に乗ってる子...!!!!!!」

高台の避難者A「あの子危ないわよ...!!家はひっくり返ってるの何度も見てる...!!」

高台の避難者B「おい!!!そこじゃ危ない!!高いビルに飛び移れ!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「そんな言われても...!!!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「ｱｶﾝ...足場が悪くて...!!」

高台の避難者A「何荷物なんて持ってるんだ!!!!!そんなもの捨てなさい!!命より大切な物なのか!!!!!!」


彡(ﾟ)(ﾟ)「ちゃうねん...これ、ワイのイッヌやねん...」

（∪＾ω＾）「ワンワンワンワン!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「イッヌ...お前は見捨てへん...イッヌを持ちながら助かる方法もある筈や...!!!!!」

（∪＾ω＾）「...」

彡(ﾟ)(ﾟ)「家が...傾いてる...!!ｱｶﾝ!!!」

高台の避難者A「あぶない!!!!!!!!!!飛び移れ!!!!早く!!!!!!」


彡(ﾟ)(ﾟ)「...!!!!!!!!」

-流れている別の家の屋根に飛び移る...!!-

彡(ﾟ)(ﾟ)「....!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ﾊﾞﾊﾞｯ!!


彡(ﾟ)(ﾟ)「...ﾊｧﾊｧ...!!」

-飛び移った瞬間、やきうの家が転覆した...!!-

彡(ﾟ)(ﾟ)「なんとか助かったわ...!!でもこの家もいつ転覆するかわからん...!!」

高台の避難者A「ビルに飛び移りなさい!!!!!もうすぐ流れ着くそこのビルだよ!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「...あのビルなら助かりそうやな...!!」

-目の前にはコンクリート製の5階建てのビル...!!-

彡(ﾟ)(ﾟ)「いける!!いけるで!!助かるかもしれん!!よかったなイッヌ!!」

（∪＾ω＾）「ワンワンワンワン!!!!」

-ビルの前に漂着する-

彡(ﾟ)(ﾟ)「よっしゃ!!窓あけたろ...ﾌｧｯ!?!?!?!?」

彡(ﾟ)(ﾟ)「鍵かかってるやん!!ふざけんな!!」


高台の避難者A「何してる!!早く窓あけて入れ!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「鍵...鍵かかってるんや!!」

高台の避難者A「突き破りなさい!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「...」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ...!!!!!!!

彡(ﾟ)(ﾟ)「無理やって...窓を突き破るなんて...!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「ｱｶﾝ...ビルから家が離れ始めてる...!!」

高台の避難者B「上!!!上を見ろ!!!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「上!?ﾌｧｯ!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「一つ上の階のカーテンが窓からずれ下がってる...!!」

高台の避難者B「カーテンをつたって上にあがれ!!!!!!!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「よっしゃ...!!カーテンはジャンプしたら掴める位置にあるっ!!」

高台の避難者A「おい!!!!!!何してる!!!!荷物!!!その荷物を捨てなさい!!!!!!!!!!!!!!!」


彡(ﾟ)(ﾟ)「...!!!!!!!」

（∪＾ω＾）「...？？」

彡(ﾟ)(ﾟ)「見捨てへんぞ...!!ワイは見捨てへん!!」

-片手にゲージを抱えながら、カーテンを掴む...-

高台の避難者A「おい!!!!!そんなものを持ちながら、片手で登れるわけがないだろ!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「ｱｶﾝ...!!あぁ...!!」

高台の避難者A「捨てろ!!!!!いいから!!!!命の方が大事だろ!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「ちゃうねん...」

彡(ﾟ)(ﾟ)「これ、中にワイの大事な犬が入ってんねん...!!」

高台の避難者A「...!!!!!!!!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「犬だけは見捨てたくないねん...」

-やきうが掴んだカーテンはビリビリと音を立てて、今にも破れそうになっている...-

-そして、やきうが足場にしていた家は転覆してしまう...!!-

彡(ﾟ)(ﾟ)「ｱｶﾝ...絶対絶命になった...!!!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「イッヌ...!!イッヌは絶対見捨てへんぞ...!!!」

（∪＾ω＾）「わんわん...!!」

彡(ﾟ)(ﾟ)「手がしびれてきた...」

-掴んだカーテンは首の皮一枚で繋がっている状態になってしまう...-

彡(ﾟ)(ﾟ)「...」

彡(ﾟ)(ﾟ)「家や車ですらぐちゃぐちゃになってるんや...」

彡(ﾟ)(ﾟ)「ワイがこの波に落ちて生きていけるわけがない...」

（∪＾ω＾）「...」

https://www.youtube.com/watch?v=732XYP9zZgs

はい、元ネタ

高台の避難者B「ねぇ...掴んでるカーテンが...!!」

高台の避難者A「もう、犬を手放すしかないでしょう!!貴方まで命を失ってどうするの!!!!!」


彡(ﾟ)(ﾟ)「...」

（∪＾ω＾）「...？？」

彡(ﾟ)(ﾟ)「イッヌ...」

彡(ﾟ)(ﾟ)「...」

彡(ﾟ)(ﾟ)「イッヌ...!!!!!」


-そしてやきうは...-

-高台- 

-ｻﾞﾜｻﾞﾜ...- 

彡(ﾟ)(ﾟ)「マッマ...!!マッマ...!!」 

(´・ω・)「...」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「おらんな...」 

(´・ω・)「避難所に向かう人達とすれ違ったけど、そこにもママさんいなかったね」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「はぁ、どこに避難しとるんや...」

(´・ω・)「ねぇ、ママさんはやきう君の家に向かったんでしょ？」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「せやな」 

(´・ω・)「じゃあ、やきう君の家付近のビルとかにいるんじゃない？」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「それよ!!行ってみるか」 

-やきうの家(があった場所)に向かう-

彡(ﾟ)(ﾟ)「こんなに街の外観が変わると、ワイの家もどこかわからんわ」 

(´・ω・)「そうだね」 

-- 

(´・ω・)「あ、この看板!!ここの近くじゃない!?」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「せやな...看板は流されなかったんやなぁ」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「ったく、どこにおんねんあいつ...歩き疲れたわ...」

(´・ω・)「うわぁ〜たぶん庭で飼ってた鯉だよこれ...」 

(´・ω・)「可哀想に...もう瀕死だ...」 

-- 

-原住民が鯉に気を取られてる一瞬の隙だった...- 

彡(ﾟ)(ﾟ)「...」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「これ、マッマの車やんけ...」

-鯉を見ている原住民を残し、一人母親の車へ向かう...- 

彡(ﾟ)(ﾟ)「...」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「...マッマ...まさかね...」 

-おそるおそる...車内をのぞき込む...- 

彡(ﾟ)(ﾟ)「...」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「...マッマ...」

-扉を開けて運転席にいる母親の元へ...- 

彡(ﾟ)(ﾟ)「何してんねん...」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「ワイの事なんてほっといたらええやん...」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「なんやねん...」 

-年頃の男の子...母親には普段から反抗的な態度を取っていた...- 

彡(ﾟ)(ﾟ)「マッマ...」

-普段口うるさい母親...- 

-自分を助ける為に、車に乗り津波に巻き込まれた...- 

彡(ﾟ)(ﾟ)「苦しかったやろ...」 

彡(ﾟ)(ﾟ)「ごめんな...ワイのせいや...」 

-やきうは、冷たくなった母親の体を温めるように抱きかかえた...- 

彡(;)(;)「ごめんな...」 

彡(;)(;)「...ぅぅぅぅ...」 

-すぐ近くに友達がいる...泣いている所を見られたくないのだろう...- 

-やきうは声が外に漏れないように...- 

-亡くなった母親の服に顔を押し当てて、必死で声を殺した...-

-早く泣き止まなければ、友達に泣いている姿が見られてしまう...- 

-しかし、溢れる涙が抑えきれない...- 

彡(;)(;)「...ぅぅぅ....」 

(´・ω・)「やきうくん...？」 

(´・ω・)「やきうくーん...!!」 

(´・ω・)「やきうくんどこ行ったの...!?」

-すぐ泣き止んで、明るく「マッマ、死んでたわ」と気丈に言おう...- 

-友達には強がって見せたい...- 

-そんな思いとは裏腹に...- 

彡(;)(;)「...っ!!!」 

(´・ω・)「やきうくん...」 

-原住民は母親を抱きかかえて、すすり泣くやきうの姿を見つけた- 

(´・ω・)「................」

-原住民は声を掛ける事はできなかった- 

(´・ω・)「...」 

-ただ、そこに立ち尽くすしか...- 

(´・ω・)「......」 

-普段、やきうの家に行くとやきうは母親を酷く煙たがっていた- 

-しかし...- 

彡(;)(;)「...」